Sweet Holiday

SUPERJUNIOR、イケメンですねの二次小説を書いています。 隣国のパールサファイアブルーのお兄さんたちのFFサイトです。 ソンミンペンですので、ミン君総受けFFが多いです。 キュミン・ヘミン・カンミン・イェウクなどあります。 色んなCPは苦手・・・という方はご遠慮ください。 二次小説、FF、BLの意味がわからない方はご遠慮ください。全て自己責任でお願いします。

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雨やどり*6

「ミナム。知っているか?」
「はい?」
シヌは話題を変えた。


これ以上いじめて変な方向に行かれても困る。
ミナムにどうやって約束を破らせて、オッパと呼ばせるか一人作戦会議をしたかったが、
そろそろ雨もやみそうだ。
空が明るくなってきた。
この蜜月な時間もそろそろお終いだ。

「いつも休憩してる坂の手前で急に雨が降ってきただろう?」
「はい。」
「こういう風に降る雨のこと、なんていうか知ってるか?」

ミナムは額に眉を寄せ、口をとがらせて必死に考えている。
その顔がまたおかしくて吹き出しそうだったが、一つ咳払いをして気持ちを切り替える。
ところが、ミナムが思いついた!という顔をして

「通り雨ですか?」
「そのまんまだな。」とこらえきれずシヌは笑ってしまった。
「今日の天気予報は一日晴れだったはずです。」

昨日午後からの撮影も天気で良かったと、マ室長が言っていたのを思い出したのだ。
シヌもその話を聞いていた。
野外での撮影は天候に左右される。
全部撮りきれるか途中で中断になるか・・・。
撮影が終わったら皆でご飯を食べに行こうとジェルミが張り切ったのに、テギョンが呆れた顔をして
「明日は突然雨が降り出すな」と意地悪いことを言っていた。
ジェルミが泣きそうな顔をしたので、ミナムが終わらなくても行きましょうと慰めたのは昨日の話だった。
「忘れてました・・・今日はジェルミとご飯を食べに行く予定だったんです。
この雨が撮影の時も顔を出したら時間が延びちゃいますね」
「そうだな。ジェルミのデートも雨にかかってるな」
と、シヌが言うと
「デートじゃないですよ!」とミナムはむきになって怒った。
「そうか?ジェルミは楽しみにしてたぞ?」
「違います!だいたい男同士なんだからデートになるわけないじゃないですか!」
息を荒らげ、ミナムが反論する。
もっと言ってやろうかと思ったが、ミナムが話を戻してきた。

「それで、通り雨じゃなかったら、なんていう雨ですか?」
「遣らずの雨・・・って言うんだよ」
「遣らずの・・・・・雨?ですか?」
「そう・・・雨にもいろんな顔があってね。たまに意地の悪いことをしたりするんだよ」
「雨がですか?」

ミナムは不思議そうに空を見上げた。
雲の隙間から晴れ間が見えてきた。

「どうして意地の悪いことをするのでしょう」
「意地が悪いっていうかね。
きっと、俺たちに帰って欲しくなくて、木が雨にお願いしたんだよ」
「木が・・・ですか?」

ミナムは後ろを振り返った。
いつもこの大きな木の下で休憩をした。
今日のように雨宿りをさせてくれたり、日差しをさえぎってくれたりもした。
シヌと他愛もない話をしたのも、この木の下でだった。

「もう、これから寒くなってきて走ることもなくなるだろう。
木がさ、帰らないでくれ、いかないでくれって雨にお願いして雨を降らせたのさ。
そういう雨を、遣らずの雨って言うんだよ」

木が俺の気持ちを見透かして、雨を降らせたのかもな・・・と言いながらシヌは自嘲した。
寒くなっても、走ることはできる。
けれど、こうしうて二人肩を並べて走ることはもう出来ないかもしれないと、シヌは薄々感じていた。
合宿所の近くの銀杏の木が黄色くなり、葉を落とし始め冬になる準備をしていた。
銀杏の木を眺めては、なぜか寂しい気持ちになる。
そんなシヌの気持ちに呼応したのか、雨が降り出した。
止まないでくれ・・・と思うシヌの気持ちが通じたのか、雨は長い間降り続いた。
雨が降っている間だけは、ミナムの近くにいれるから・・・。
そろそろ気持ちを切り替えなくてはいけない。
コ・ミナムとして、彼女ではなく彼を見守らなければならない。
また、良い兄貴に戻らなければ・・・・。

「ミナム、約束・・・忘れるなよ?」
雨がやんだ。
二人は立ち上がり、背伸びをした。
大きく伸びるミナムにシヌが声をかけると、ミナムは体を強張らせたが、すぐに口をとがらせ
「大丈夫です。約束、守れます」と鼻息を荒くした。
「期待してるよ」と言ってみたが、内心どうやって約束を破らせようかとそればかり考えていた。
「オッパ。だからな」
「わかってますよ!」
むきになるミナムの頭をくしゃっとなぜた。
もう濡れた髪も乾き、凍えそうだった体も温まった。
そろそろ帰ろうかと走りだそうとした時だった。

車のクラクションの音が聞こえた。
振り返ると、テギョンの青い車があった。

「兄貴!」

とミナムが嬉しそうに近寄った。
シヌは、フッとため息のような吐息をはいた。
「お前ら、いつまでそこにいるんだ。早く戻るぞ」
テギョンが車から降り、いつものように呆れた顔を見せた。
探したのだろうか。
雨が降り、熱が下がったばかりのミナムの体を心配して、雨の中テギョンは車を走らせたのかもしれない。
今までの奴なら、車が雨に濡れるのも嫌だろうし、ましてや雨にずぶ濡れた人を車に乗せて、
シートを濡らすこと自体許さなかっただろう。
けれど、ミナムが雨に濡れているかもしれないと、探してまでテギョンはやってきた。
探したのかと尋ねれば、たまたま通りかかっただけだと強がるだろう。
シヌは、あえて何も言わなかった。
テギョンの不機嫌そうな顔の裏に、元気なミナムの姿を見てホッとしている顔を見てしまったのだ。
「乗れ。午後の撮影に間に合わないぞ」
と、テギョンは促した。
「ありがとうございます!」
はじけるような笑顔をテギョンに見せ、素直にミナムは喜んだ。
「シヌ、お前も乗れ。」
ミナムほど喜べないシヌは、軽く首を横に振った。
「いや、俺はいい。まだ時間があるだろう?走って帰るさ。」
「でも、シヌ兄貴・・・」
ミナムはテギョンとシヌの顔を交互に見た。
「ミナム、病み上がりなんだろう?車に乗って行け。午後の撮影が終わったら、ジェルミとデートだろ?
行けなくなったらジェルミに俺が叱られる」
デートという言葉にテギョンが反応する。
が、一つ咳払いをして興味がないような顔をした。
おもしろいな・・・とシヌはもっとテギョンを困らせようと思ったが、やめた。
おろおろとするミナムがかわいそうになってきたし、せっかく迎えに来たテギョンの機嫌を損ねることもない。

「シヌ兄貴・・・」
「行け、ミナム。テギョンに乗せてってもらえ」
「・・・わかりました。シヌ兄貴、無理しないでくださいね」

軽くシヌに向かってお辞儀をして、ミナムはテギョンの車に乗り込んだ。
「早く帰ってこいよ。」
テギョンに言われるまでもない。自分一人だったらそんなに時間をかけないでも帰れる距離だ。
「わかったよ」
素直に返事をする。
テギョンが車に乗り込み、ミナムと二言三言会話を交わしたのち、車を発進させた。

シヌは、二人を乗せた車を見送った。
「さて・・・帰るか」
と、何気なく見上げると、二人が去った空の上に虹がかかっているのが見えた。
「秋の虹か・・・・。」
薄いけれど、雨の止んだ空に大きく虹がかかっていた。
「消えるまでに、帰れるかな」
シヌは、大きく背伸びをした。
そして、二人が消えた方向へ向かって走り出した。


END



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