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俺のヒョンはこういう人ですが、何か? *3(完)
「ねー、キュヒョン」
「はい、なんですか?」
「キュヒョンは、俺を抱きたいと思わないの?」
まだ同室になって日が浅い頃、ソンミニヒョンとワインを飲んでいると、ほろ酔い気味のヒョンがそう言った。
俺はその言葉にどう・・・返事をして良いのかわからなくて、黙ってしまった。
「はは・・・ごめん。困らせちゃったね」
「いえ・・・」
「でも、俺、お前にとってどういう相手なのかなって・・・・気になって」
「どういうって・・・・」
酔った勢いで・・・だったのかもしれない。
キュミンだなんだと騒がれ始めていた頃で、俺の隣にはソンミニヒョンが、ソンミニヒョンの隣には俺が、が定位置に
なりはじめていた。
俺はそれが当然だと思ったし、一番安心していられる立ち位置で・・・・それ以外考えたことがなかった。
ヒョンは男だし、俺も男だし、男同士でそういうことをする人がいるのは知っているけれど、彼とそういう関係に
なりたいと思ったことはなかった。
けれど、そんな俺の態度にヒョンは少し悩んでいたのかもしれない。
下心なしに近寄ってきたり、優しくされたりしたことが・・なかったのかもしれない。
だから、こんな俺に対してヒョンの方がどう接していいのか、わからなかったのだろう。
「ヒョンは俺のヒョンで・・・ルームメイトです」
「そう」
「それ以下でも・・・それ以上でもありません」
「そう・・・」
「それだけじゃ・・・・ダメですか?それだけだったら・・・あなたのそばに居てはいけませんか?」
「キュヒョン・・・」
貴方を抱かないと傍に居られないというのなら、抱かなくても貴方のそばに居続けられるということを証明してあげましょう。
貴方の体とアイドルとしての立場を狙ってくる奴らとは違う、と。
ただ、純粋にヒョンを支えたいと思った。
だから、ヒョンが誰かを好きになろうが、誰に抱かれようが・・・俺には関係ない。
俺は俺のやり方で、彼のそばにいて彼を守るだけだから。
あの日飲んだワインの味を俺は今でも忘れない。
けれど、もうあのワインを飲むことはないだろう。
俺があのワインを飲むことがあれば、それは俺の決心がぐらついた時・・・だけだ。
**
どうやら、ドンヘヒョンが男を見せたらしい。
良かった。
けれど、これからが俺の正念場だ。
俺とソンミニヒョンの関係を疑われないように接しないと・・・またとばっちりを食うかもしれない。
まぁ、ドンヘヒョンだから・・・そんなややこしいことにはならないと思うけれど、自分の身は自分で守るしかない。
用心に越したことはない。
とりあえず、喜ぶドンヘヒョンにしっかりするように釘を刺した。
ふらふらするようなドンヘヒョンじゃないと思うけど。
良かった。
そう、一息ついた時だった。
「キュヒョン」
ソンミニヒョンがやってきて、ちょこんと隣に座った。
練習の合間だったのだろうか。
少しばかり汗をかいていた。
さりげなくヒョンの汗をタオルで拭いてあげると、ふっ・・・・と、ドンヘヒョンの香りがした。
なるほどね、と理解をしたけれど、それをわざわざ口にするほど俺は野暮じゃない。
けれど、多分ソンミニヒョンは俺に理解されたかったんだろう。
だから、わざわざここに来た。
それをわからない・・・俺じゃないと、ヒョンもわかってるんだろう。
「ヒョン。それでも俺は・・・傍にいますから」
「うん・・・」
「俺たちは・・・ルームメイトですから」
「うん」
俺たちの間にある、絆。
それは多分誰にもわからないし・・・理解できないだろう。
だからこそ、俺はヒョンを愛する人たちにやっかまれ、嫉まれる。
そんな立場を選んだのは他でもない俺自身だ。
我が身を嘆いてなどいられないのだ。
「キュヒョン」
「はい」
「・・・いや、なんでもない」
そう言うとヒョンは練習に戻っていった。
その後ろ姿を俺は見送る。
ソンミニヒョン。
俺だけです。
俺だけが・・・本当のあなたはこういう人だと理解しているのは。
それが俺を支えている全てです。
体も心も他の人のものでも良い。
魂だけは俺と繋がっていると・・・そう信じていて良いですか?
未来永劫、ずっとそばに居続けることが出来るのは俺だと・・・。
俺は立ち上がった。
これからSSが始まり、忙しい毎日がまたやってくる。
俺はがむしゃらにがんばるだけだ。
それが、俺だから。
+END+
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