Sweet Holiday

SUPERJUNIOR、イケメンですねの二次小説を書いています。 隣国のパールサファイアブルーのお兄さんたちのFFサイトです。 ソンミンペンですので、ミン君総受けFFが多いです。 キュミン・ヘミン・カンミン・イェウクなどあります。 色んなCPは苦手・・・という方はご遠慮ください。 二次小説、FF、BLの意味がわからない方はご遠慮ください。全て自己責任でお願いします。

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もうひとつの雨やどり*10(完)

テギョンは、助手席に自分の部屋にあったありったけのバスタオルを放り投げ、エンジンをかけた。
勢いよくエンジンがかかる。

そのまま運転席に乗り込み、駐車場から飛び出て行った。
激しく雨が打ち付け、ワイパーを必死に動かすが前が見えずらい。
ちらりと空を見上げると、そろそろ雨雲が去って行きそうだったが、まだまだ雨足は強い。
テギョンは、二人のジョギングコースを知らなかった。
どこをどう走っているのか、聞くこともなかったし聞きたくもなかったが、だいたいの察しはついた。
ミナムの体力と朝食の時間を考慮して、往復1時間で帰ってこれるコース。
行き30分、帰り30分・・・。
合宿所の近辺で30分走って行ける場所をいろいろ考えて車を走らせた。
5分もすれば、二人を見つけられるだろうとテギョンは考えたが、最初の道は逆だったようで、二人の姿はみつけられなかった。
ぐるっと回って再び合宿所へ戻る。

「どこだ・・・」

雨足が弱くなってき始めた。
けれど、テギョンの気は焦るばかりで無意識に左右に口元が動いていた。
テギョンの頭に、ふと。
夜中に咳込み、息苦しそうに呼吸をし、熱にうなされたミナムの姿が思い浮かんだ。

もし、あのままどうにかなってしまったら。

言いようのない恐怖があの夜テギョンを襲った。
何度もミナムの熱を計り、熱が上がらないように頭を冷やしたり汗を拭いたりした。

ついていなくても死にはしない。

と、シヌには言ったがそう言えたのは熱が下がり呼吸が正常になったからだ。
もし夜のまま熱が高く、咳も酷かったら同じことは言えなかったかもしれない。
けれど、自分がうろたえる姿をどうしてもシヌには見せたくなかった。
そして、シヌにミナムを心配させたくなかった。
自分のエゴが、醜い感情が湧き出てくる。

今雨に濡れ、震えるミナムを支えているのはシヌだ。
そして、凍える体を温めているのもシヌかもしれない・・・。

考えれば考えるほどテギョンはいてもたってもいられず、雨の中車を走らせる。
たかが5分の距離なのに、遥か彼方へ行ってしまったかのように気持ちばかりが焦る。
二つ目の道にも二人は居なかった。
再び合宿所へ戻ってくる頃には雲から晴れ間が見え、雨は止んでいた。

迎えに行くのをやめようか。

もうワイパーを動かす必要もなくなった。
一日晴れるという天気予報通りになりそうな、明るい日差しが雲の切れ間から見えてきていた。

けれど。

テギョンは、最後の道に車を駆った。
雨が止んでしまった今、自分の迎えは不要かもしれない。

けれど、ミナムの凍えた体を温めるのは自分でありたい。
彼女を迎えるのは、いつでも自分でありたいと・・・。

どうしようもない欲求がテギョンを突き動かしていた。
5分の距離がもどかしく、テギョンは思いきりアクセルを踏み込んだ。
坂道のある道にたどりついた。
坂の上に大きな木と自動販売機が見えた。
テギョンは少しスピードをゆるめた。
すると、木の下に立つ二人の姿が見えた。
雨が止み、シヌとミナムが帰ろうと立ち上がったところだった。
二人は何やら会話をしていた。
シヌの顔がミナムの耳元にあった。
それから、自然な流れでミナムの髪の毛を撫ぜる。

テギョンは、クラクションを鳴らした。
ハッとした顔の二人がこちらを向いた。
テギョンの姿を見つけると、シヌはすぐさま髪の毛から手を下ろし何事もなかったようないつもの感情のない顔をした。
ミナムは元気そうだった。
あの木の下にいたおかげであまり体も濡れていなさそうだ。
微笑むミナムの顔を見て、テギョンの気が緩んだ。
ついホッとした顔をしてしまった。

「帰るぞ」

しかし、車から降り二人の前に立った時にはいつものように呆れた顔をしてみせた。
強がりと言えばそれまでだが、それでも安堵した表情を二人に見られたくなかった。
ミナムは嬉しそうに近寄ってきた。

「午後の撮影に間に合わないぞ。早く乗れ」
「すみません、兄貴・・・。」

律儀に謝るミナムとは対照的に、シヌは何も言わず立っていた。
乗れと二人に向けて行ったのだが、シヌは自分に言われた言葉ではないと思ったのだろう。

「お前も乗れ、シヌ」
「いや、俺はいい」

すぐさまシヌは断った。
シヌが断ったので、自分だけ乗って帰るのは申し訳ないといった顔を浮かべたが、シヌがフォローを入れ
ミナムはテギョンの車に乗り込んだ。
テギョンは、有り余るほどのバスタオルでミナムの体を拭いたり巻いたりと、全ての水気を吸い取らせた。
シートが濡れるのが嫌だからではない。
ミナムの体がこれ以上冷たくなるのを防ぐためだった。

「兄貴・・・苦しいですよ・・・」
「少しの辛抱だ。寒くないか」
「だ・・・大丈夫です・・・。でも、シヌ兄貴が・・・」
「自分で帰ると言ったんだ。大丈夫だろう。それにあいつは男だ。多少濡れても平気だ」

言い終わらないうちにテギョンは車を発進させた。
シヌが車を見送っているのがバックミラー越しに見えた。
自分をまっすぐとらえた瞳と目が合うが、テギョンは視線を振り払って車を出した。
助手席に座り、バスタオルの巻き寿司になっているミナムは申し訳ない顔をテギョンに向けた。

「すみません。急に雨が降ってきて・・・・」
「お前のおかげで、昨日綺麗に洗車した車が泥だらけになったぞ」
「す・・・すみません・・・。撮影までに綺麗に洗車しておきます」
「そんなことをしたら、風邪をぶり返してまた午後から撮影出来なくなったら困るから、やらなくていい」
「でも・・・」
「いい。お前は何もするな」

何もしないでいい。
ただ、俺のそばに居てくれ・・・・。

言えず、テギョンは強くハンドルを握りしめる。
路面は乾き始めていた。
さっきまでの雷雨が嘘のように、空は高く澄み切っていた。
今日の撮影は順調に進むかもしれない。

「兄貴、ありがとうございます」

ミナムは笑顔をテギョンに向けた。
今は、その笑顔だけでよしとするか。

「もう、熱・・・出すなよ」
「はい」
「心配になるから」

最後の言葉はミナムに聞こえなかったかもしれない。
合宿所へ着き、テギョンは駐車場の電動のシャッターのスイッチを押したところだった。
シャッターの動く音で最後の言葉はかき消されてしまっただろう。
ミナムは、自分に巻かれていた大量のバスタオルを体から外していた。

「先に行くぞ」

一枚一枚体からタオルを外すミナムを見ていられず、慌てて車から降り地下駐車場から立ち去った。

「チッ・・・」
テギョンの舌打ちが通路に響く。
足元をふと見ると、濡れた靴が目に入った。

「この俺が、雨の中を、か。」

泥だらけになった愛車、べちゃべちゃになったシート。
そして、雨に濡れた自分の体。
それでも、ミナムの笑顔が見られた。
テギョンはミナムの笑顔を思い出し、口元が緩んだ。

「待ってください、兄貴~~!」

自分を追いかけてくるミナムの声が聞こえた。
テギョンは緩んだ口元を引き締め、振り返った。

「早く来い、コ・ミナム!」


*END*

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Comment

もぐもぐら says... "最高です☆☆☆"
うわぁ~めっちゃ良かったですv-218
ミナム(ミニョ)の為に潔癖症のテギョンさんが
構わず、取った行動にきっと自分自身で驚いたでしょうね。
テギョンさんとミニョのラブラブなお話は沢山の方が
書かれていますが
シカマル★まぴこさんのような二次小説はあまり無いですよね~、私はシカマル★まぴこさんの独特な雰囲気の
お話が大好きです。
(何度も読み返したくなるんです)

これからも楽しみにしています。




2011.05.23 09:19 | URL | #- [edit]
シカマル★まぴこ says... "Re: 最高です☆☆☆"
もぐもぐらさん>>
 コメントありがとうございます!
 いつも、嬉しくなるお言葉ありがとうございます~!
 がんばりますね~!
 とってもマイナー路線・・・なお話ですが、楽しんでいただけて嬉しいです。
 ホントらぶなお話はたくさんの方が書かれてますね。
 私もらぶな話は他の方ので楽しませてもらってます♪
 みなさんとっても上手ですよね。
 私もいつかラブい話を・・・v-91

 またぜひ読みに来てくださいね!
 本当にお褒めの言葉ありがとうございました!
2011.05.23 10:01 | URL | #- [edit]
says... "管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011.05.23 13:44 | | # [edit]
シカマル★まぴこ says... "Re: ありがとうございました。"
鍵コメさん>>
 コメントありがとうございます!
 テギョンファンの方に読んでいただいて、素敵と言われてとっても嬉しかったです。
 どうしてもシヌ兄さんメインで話を書いてしまうので、なかなかテギョンの立場に立って書くことが
 出来なかったのですが、今回ようやく1本かけました。
 喜んでいただけて嬉しいです。
 きちんとテギョンの心を描けたかな~と心配でしたが・・・。

 今度はもう少しらぶらぶなお話を書いてみようかと思っていますが、予定は未定です。
 もしその時があれば、読みにいらしてくださいね!
 ありがとうございました★
2011.05.23 19:13 | URL | #- [edit]
木蓮 says... "こんばんは!"
こちらでは、初めまして♪

素敵な物語でした。
あのファン テギョンが濡れたミナムを車に乗せるなんて・・・テギョンの愛がそれだけでも凄く伝わってきました!
素敵な物語をありがとうございました!
また、次の作品を楽しみにしてます♪
2011.05.23 19:28 | URL | #kCTSxNgQ [edit]
よこち says... ""
終わりましたね~
この話が、シヌさんの雨やどりの時に迎えにきた 
テギョンですよね~??なるほど、テギョンもやっぱり
ミニョの事を思ってましたね。
ゆったりとした気持ちで読ませてもらいました。
2011.05.23 22:48 | URL | #- [edit]
シカマル★まぴこ says... "Re: こんばんは!"
木蓮さん>>
 コメントありがとうございます!
 読んでいただけて光栄です~!
 なかなかテギョンの姿を上手に描けなくて苦々しく思ってたのですが、愛が伝わった!と
 言っていただけて嬉しいです。
 またぜひ読みにきてください!
2011.05.23 23:50 | URL | #- [edit]
シカマル★まぴこ says... "Re: タイトルなし"
よこちさん>>
 コメントありがとうございます!
 なんとか終わらせることが出来ましたー!
 そうなんです。雨やどりのテギョンバージョンで書いていたので結末は決まってたんで
 書きやすかった・・・けど、結構難産でしたww
 またぜひ読みに来てくださいね★
2011.05.23 23:52 | URL | #- [edit]
says... "管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2011.05.26 17:26 | | # [edit]
シカマル★まぴこ says... "Re: タイトルなし"
鍵コメさん>> 
 ヤバいくらいにハマっていただいて嬉しいです!
 作家(ではないですが)冥利に尽きるお言葉ありがとうございます★
 またおもしろい!!って言ってもらえる作品を書きますね~。
 ありがとうございます♪
2011.05.27 23:10 | URL | #- [edit]

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