Sweet Holiday

SUPERJUNIOR、イケメンですねの二次小説を書いています。 隣国のパールサファイアブルーのお兄さんたちのFFサイトです。 ソンミンペンですので、ミン君総受けFFが多いです。 キュミン・ヘミン・カンミン・イェウクなどあります。 色んなCPは苦手・・・という方はご遠慮ください。 二次小説、FF、BLの意味がわからない方はご遠慮ください。全て自己責任でお願いします。

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ホシアイ *3 (キュミン)

ホシアイ*3


雨が降り止まない。
その間、晟皇子は隣に立つ青年と会話をつづけていたのだが、ずっと立ったままで脚が痛くなっていた。
晟皇子はついしゃがみこんでしまった。
体力のない自分をきっと青年は笑っているのだろうと、ちらりと青年の横顔を盗み見たが、その表情からは
何も伺い知ることが出来なかった。
それから、すぐにぐぅと腹がなる。
嫌なタイミングでなってしまい、晟皇子はますます自己嫌悪に陥ってしまう。
何のために下へ降りてきたのかわからない。
もし今影法師の二人に見つかれば、散々説教された揚句、笑われるだろう。

「お腹…空きましたね」
「すみません…みっともないところを見せてしまって」
「私の家がもう少し行った先にあるのですが、もしお時間があるのなら、一緒に
麺でも食べませんか」
「麺…ですか」
「ええ。これから食べる用意をして出かけたので戻ればすぐ食べれますよ。」
「でも、あなたの分がなくなってしまいます」
「他にも食べるものはありますから」

そう言って、雨が小雨になったのを見計らって、青年は晟皇子の手をひっぱって走り出した。
雨の粒が晟皇子にささる。
雨の中…走ったことなどない晟皇子は楽しくて仕方がなかった。
走るたびに跳ねる泥が、服を汚し、靴を汚す。
そして、握る手から彼の体温が流れてくる。
晟皇子は必死に走った。
彼に置いて行かれまいと、必死に。

**

青年の家は他の家と同じように、質素な作りだった。
彼は一人で暮らしているようで、他の住人の匂いがしない。
汚い家ですが、と青年は晟皇子を家に入れると、さっそく作ってあった麺の汁を温め始めた。

「体をこれで拭いてください」

彼の家にある、精一杯奇麗な手ぬぐいなのだろう。
それをありがたく借り、晟皇子は髪の毛を乾かす。
さすがに、体をふくことは出来ず、べちゃべちゃなまま我慢した。
それに気づいた青年が、晟皇子に言う。

「体を拭かないと、風邪をひきますよ」
「いや…良いのです。体は…」
「あ。私がいるからですか?」
「いえ・・そういう…」
「すみません。着替えの服を持ってきますから、その濡れた服を脱いだ方がいいですよ」

くるりと青年は背を向け、奥の部屋へ姿を消した。
その間に体をふくべきなのだろうが、晟皇子は彼のいなくなった室内を見回していた。
質素な暮らしで、華美なものが何一つない。
これが天帝のおかげだと言えるのだろうか…。
価値観が違うと言われてしまえばそれまでなのだが、不自由な暮らしをしているように思えて不憫でならない。
食べ物はあるだろうか。
金子はあるだろうか…。
ぐつぐつと煮える汁の音を聞いて、晟皇子は竈へと近寄る。
鍋のふたをそっと開けると、今まで忘れていた食欲を呼び戻すような芳香が立ち上がる。

「おいしそうでしょう」

背後から声をかけられ、晟皇子はビクリとした。
彼が戻ったことも気づかず、部屋をまるで強盗か何かのように品定めをしていた自分を恥じる。
しかし、彼はそんなことを気にすることもなく、奥から持ってきた服を晟皇子へ差し出す。

「こんな服しかありませんが、濡れている服を着ているよりましでしょう」
「すまない…」
「あなたが服を着替えたら麺を入れます。すぐに出来ますよ」
「ありがとう…」
「そういえば、名も伝えていませんでしたね。私は圭賢。あなたは?」
「我が名は・・・・晟敏」

名を…決して誰にも言ってはいけない真名を、晟皇子は彼、圭賢に名乗ってしまったことに
気がついていなかった。
影法師の二人でさえ…知らない晟皇子の真名。
なぜ真名を伝えてはいけないのか、うっすらと自分でもわかってはいたが、なぜか彼には
真名を伝えたくなった。
晟皇子ではなく、「晟敏」として、彼と接したいと思ったからだ。
そんな事情など露知らず、圭賢は晟皇子の真名を呼ぶ。

「晟敏さん。どうぞ」
「ありがとう…ございます。圭賢さん」
「どうか、名に敬称など付けず気軽に呼んでください。」
「良いのですか?」
「もちろんです」
「では…私のことも…」

王宮の者が知れば、圭賢は不届き者だと処罰されるだろう。
しかし、ここには晟皇子を知る王宮の者もいない。
ただ、目の前に先ほどあったばかりの圭賢が居るだけ…。

二人、向かい合って、麺を食べる。
作って置いたというせんべいのようなものも一緒に食べた。
…外ではまだ雨が降り続けていた。

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